伝え忘れた言葉|杉浦和子の世界、衣・食・住・人の旅

古布の服や酒袋・襤褸、材料やパッチワークの販売

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プロフィール

私は、古布を全国から足で歩いて収集し、服をデザインし、作品を作っている杉浦和子と申します。北は北海道から南は沖縄まで作品展を開催しております。おかげで全国の美味しい食べもの、市場、人、自然の風景、地方の街など、多くの感動、感激そして人の出会いがあります。その情報を皆様にブログを通じてお知らせしたいと思っています。日本だけでなく世界の情報も。杉浦和子の日本、世界の衣、食、住、人の旅にご期待下さい。楽しい発見がきっと見つかりますよ。

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image今日の東京新聞、朝刊「心にふれる話」より

その女性に初めて会ったのは、午前6時2分、京王相模原線多摩境駅発の電車内だった。

乗客がまだ、半袖シャツを着ていた9月。東京農大一高の教諭長田道弘さん(60)は、座席で本

を読んでいた。

乗り換えの一つ前の駅。乗ってきた20代位の女性が前に立った。

バックにぶら下げたマークが目に入る。

「おなかに赤ちゃんがいます」。席を譲ると、女性は申し訳なさそうに座った。

「どうぞ」「すみません」。それが、毎日続いた。

交わす言葉はそれだけだ。大きくなっていくおなかを見て

「座らせてあげないと」と使命感が芽生えた。

確実に席をとれるよう、少し早起きして電車が到着する5分前には、ホームで待った。

乗客がコートを羽織るようになった今月1日。普段通り席を立つ、長田さんに

「今週で産休に入ります。これまで、有難うございました。」

手作りの焼き菓子をプレゼントされた。

最後まで名前も、どこの駅で降りるかも知らなかった。

語り掛けもしなかった。

ただ、これだけは言っておけば良かったと悔やむ。

「出産、頑張って」

 

2014年12月22日(月)
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